同窓会報No.41

30 2024年 第41号 TUT 同窓会報 同窓生の皆様におかれましては、ますます御健勝のこととお 喜び申し上げます。 本年 5月より新型コロナウィルス感染症の対応が 5 類感染 症扱いとなりました。これを受けて社会全体が感染前の状態へ 戻ったように感じられるこの頃です。本学では昨年度後期から原 則対面授業となり、学内活動をする分においてはコロナ禍のよう な閉塞感や疎外感を感じることはすでになくなってきました。本年 度からは、各学会の大会等の開催も対面開催とされるようになり、 学外での調査研究活動もコロナ前の状況に戻っています。海 外の学会発表への渡航も活発化し、研究室の学生を連れて遠 方へ出張することにも制約がありません。学生にはこうした環境 に感謝をしつつ、大学生活を謳歌してもらいたいと感じています。 昨年度より副系長を務め、併せて 2023 年度卒の学生の就職 担当をしてきましたが、建設業界における人手不足と学生側から みた就職の売り手市場を日々実感しております。就職状況がよい ことから学部 4 年生の就職希望者がコロナ後に目立って増えてき ました。また、留学生の場合であっても、日本語検定 N1や N2 取得者の場合は大手ゼネコンへ行く学生や、そうした資格を持 たず日本語話者でない学生でも、地方のゼネコンや建設会社に 就職が決まる学生も複数見られます。また、一方で、ここ数年 は当たり前になった感がありますが、年々早まる企業の採用活動 や内定後の学生の囲い込みは、大学の教育環境に大きな影響 を与えています。実質的に採用活動の一環で行われるインターン シップによって授業欠席も増えている他、大学院の修士研究の 時間も大きく削られているのが現状です。頭の痛い問題です。 本年はJABEE(日本技術者教育認定機構)審査の実施 年にあたり、10 月15 〜 20日にかけて本審査が行われました。 年度末までに正式な評価が決まるものと思われます。JABEE は本系の教育プログラムの根本に関わっています。2005 年度 に最初に認定申請を行った際にコース制に移行し、以来、一 つの系(教員・学生の所属組織)及び一つ課程(教育プロ グラム)でありながら、二つの JABEE プログラム(建築コー スと社会基盤コース)の認定を得てきました。本年の審査は、 2011 年、2017 年についで 3 回目の更新審査を受けるもので、 2 つのコースを設定することで、全国の建築及び土木の高専 から幅広く学生を受け入れる体制を長く維持しています。2020 年度に設置された先端融合テクノロジー連携教育プログラム を除き、全ての学生が卒業と同時に JABEE 認定プログラム の修了証書を得ることができます。 令和 5 年度 10 月現在で、本系で学んでいる学生は、学 部 171 名(うち留学生 13 名)、大学院博士前期課程 100 名(う ち留学生 15 名)、博士後期課程 21 名(うち留学生 16 名)となっ ております。建設分野への社会的ニーズの高まりをうけ、建 築・都市システム学系への人気は引き続き高い傾向が見られ ます。例えば、本学の学部1年生入試では、大多数を他課 程と一括りにした一括入試としており、1 年生の後期に学生の 希望をきいて本配属をする方式を採用しているのですが、本 年10 月には15 名が本課程を希望し、計 20 名が 1 年生に在 籍しています。また、海外の留学生からの関心も高く、国際的 な研究が進められています。グローバル大学として、日本人 学生にとっても望ましい環境になってきています。一方で、建 設関連企業への就職環境の好転は、大学院進学者を少なく している側面(大学院の定員割れ)も見られます。また、博 士後期課程進学を志す日本人学生は殊に少なく、乗り越えて いくべき課題となっています。 敎職員では、4月に高専交流人事で山内正仁先生を教授 に迎え、東海林孝幸先生と瀧内雄二先生が准教授に昇任、 島崎康弘先生は任期なし准教授へと切り替えになりました。ま た、本年度末で三浦均也教授(現系長)と松島史朗教授 が定年退職を迎える予定です。教授 10 名(山内先生含む)、 准教授10名、助教 7名、技術専門職員2名、事務職員4 名(令和 5 年 10 月)の体制となっています。 末筆ながら、同窓生の皆様の益々のご活躍を心よりお祈り 申し上げます。 学内近況報告 教授 浅野 純一郎

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