同窓会報No.41

2024年 第41号 TUT 同窓会報 33 国際都市計画研究室のご紹介 M2 井上 晴世 M1宮嶋 太陽 B4 仙田 璃温 国際都市計画研究室には2023 年12月現在、博士後 期課程1名、博士前期課程10 名、学部生 8 名が所属し ており、小野准教授の指導の下、日々研究に励んでいます。 本研究室では、急激な都市化を経験するグローバルサウ スの都市と、成熟社会を迎えた日本の地方都市という異 なる側面を持った都市の探究を通じて、都市が抱える問 題の本質を多面的な視点から捉え、理論と実践から解決 に向けて取り組んでいます。 グローバルサウスに関する研究では、無計画に拡大す るインフォーマル市街地がもたらす社会的・空間的な課 題に対する具体的な計画手法の構築に取り組んでいま す。スラムを対象に、実際の現地調査により研究を行っ ており、公的機関の手の入らない地域において、どのよ うにして住民同士の合意形成や空間づくりが行われてい るのかを明らかにすることが、我々の暮らす日本のまちづ くりにおいても役立てることができると期待しています。 また、日本の地方都市が抱える課題解決に向けた研究 にも力を入れており、空き家や低未利用地といった都市 空処に関する研究や、災害時における仮住まいの需要・ 供給量推計といった防災・災害復興に関する研究など、 多岐にわたっています。豊橋では産官学民が連携してま ちづくりを行う「豊橋まちなか未来会議」の取り組みに おいて、研究室としてワークショップの運営に携わるなど、 地域に密着した活動も行っています。 さらに、こうした都市のフィールドにとどまらず、生物 学や農学、情報学、哲学、社会学など、異なる分野の研 究者と連携して分野横断的かつ柔軟な研究体制を築くべ く、積極的に学問融合領域の開拓を行っています。昨年 度から開始した千葉県柏の葉アクアテラスでのプロジェ クトでは、治水機能を最優先事項としてきた調整池の水 辺空間が持つ多面的な価値を評価し、それらを包括的な 都市計画に統合する方法を模索しています。 こうした活動を通じて、国際都市計画研究室は変化に 富んだグローバルサウスの都市化と日本の都市縮退期の 課題に取り組み、新たな都市計画の理論構築と実践の進 化を目指しています。 ザンビア・ルサカでの現地調査 グラフィックレコーディングの実践 柏の葉アクアテラスでの調査

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