同窓会報No.37

2020 年 第 37 号 TUT 同窓会報 5 2019 年 4 月1日付で機械工学系に助教として着任しました吉永です。出身は大 阪で、舞鶴高専を卒業の後、大阪大学基礎工学部に編入し、大阪大学基礎工学研 究科の和田研究室で博士過程を修了いたしました。その後、同研究室で 1 年間特 任助教として働いた後、本学の自然エネルギー変換科学研究室(飯田研究室)に 着任いたしました。 専門は流体力学で、これまで空力音響学の観点から、子音の発音に関して研究 を行ってきました。子音の中でも、摩擦音と言われる [s] や [f]、[h] 等の子音は、口 腔内に狭窄流路を形成し、ジェット流を発生させることにより空力音として発音する ことが知られています。その発音に関して、熱線流速計とマイクロフォンを用いた流体音響実験や、ラージエディーシミュ レーションなど、空力音響学のアプローチを用いて研究を行っております。最近では、医療画像を元に舌の運動をモデル化し、 口腔形状がダイナミックに動く際にどのように気流が乱流となり、音の発生をコントロールしているのかについて調べてい ます。これらの研究により、構音障害等のリハビリ治療に役立てればと考えています。 また、子音に関する流体力学シミュレーションを元に、チンパンジーと現代人の顎形状を比較・解析することにより、人 類の発音の起源について調べています。単に工学分野だけでなく、医療分野や人類学分野との融合研究により、非常に刺 激的で楽しく研究を進めています。今後は、飯田研究室の風洞技術や流体計測技術との融合により、さらなる研究成果が 生み出せればと考えています。 機械工学系 助教  吉永 司 新任教員より

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