同窓会報No.40

2023年 第40号 TUT 同窓会報 1 豊橋技術科学大学同窓会の皆様方におかれましては、常日頃より同窓会活動にご理解とご協力を賜りまして、誠に ありがとうございます。 2022 年度末を迎えるにあたり、この一年を振り返りますと新型コロナウィルス感染症は収束とまでは至らないもの の、感染に留意しながらも元に近い生活を取り戻そうとするウィズ・コロナの時代を迎えています。また、昨年 2 月 に始まったロシアによる不条理なウクライナ侵攻はその先が見通せず、世界情勢に大きな影響を与えると共に、安全 保障政策に関する議論、原油価格高騰、円安など、私たちの身近に大きな影を落とし、この年は様々な意味で世界、 日本の転換点になるように思います。 その中での明るいニュースは、昨年6月に行われたNHK学生ロボコン全国大会で我が技科大が全国優勝!その後 の世界大会ABUロボコン 2022 インドデリーでは予選リーグで敗退したものの、ロボットの高い技術面が評価され 「ベストエンジニアリングアワード」を受賞されたとのこと。あっぱれ!!!後輩たちの活躍に勇気をもらう大変嬉し いニュースでした。同窓会も世界大会に向けての緊急支援を通じて応援をさせて頂きました。 この一年の同窓会の活動ですが、新型コロナ感染症のために 2020 年度より始めた同窓会緊急学生支援を継続。当 初より申請は減少し、2021 年9月から 2022 年3月までに支援した学生数は 13 名と落ち着きをみせています。また、 今までに支援を行った学生へのアンケートでも多くの感謝の言葉を頂いていて、困窮した学生たちの支援を行えたこと を改めて皆様にお礼申し上げます。引き続き新型コロナの影響に関わらず、困窮する学生への支援を行って参ります。 また、優秀な学部卒業生への同窓会会長賞の授与、学生課外活動支援の他、好評を頂いている食堂での「めざま しごはんプレミアム」や「同窓会カレー」への経費支援など、コロナ禍の中での学生の健康、学びや研究の糧となる 支援を行っていて、これらは来年度も継続して参ります。 一方で、同窓生を対象とした懇親会やパーティ等の交流活動への助成については、コロナ禍のために申請が少なく、 ウィズ・コロナの中であってもオンラインや対面で同窓生の皆様が顔を合わせる機会が増えることを願っています。 是非、この助成をご活用下さい。 1976 年に設立した母校も 2026 年に 50 周年を迎えます。大学では開学 50 周年記念事業を予定されていて、同窓会 もこれを機に同窓生の皆様の結束を強める活動を行いたいと考えています。 大きな転換を迫られる時代にあって、同窓会が同窓生の力を合わせるプラットホームとなれるよう、また皆様のご 活躍を祈念し、今後とも同窓会活動へのご協力・ご理解を深くお願いして、挨拶に代えさせて頂きます。 同 窓 会 会 長 挨 拶 世界が転換する時代に力を合わせて 旧6系(建設工学系)4期生 若林 亮 <株式会社日建設計 デザインフェロー>

2 2023年 第40号 TUT 同窓会報 NHK学生ロボコン優勝およびABUロボコンへの出場について 2022シーズン ロボコン同好会部長 今野 麟太郎 豊橋技術科学大学同窓会の皆様、この度はロボコン同好会へのご支援、誠にありがとうございました。皆様のご 支援のお陰でABUロボコンに出場するロボットを製作することができました。ABUロボコンでは優勝はできなかっ たものの、技術力が評価され「BEST ENGINEERING AWARD」を獲得することができました。 学生ロボコンではロボコン同好会としては13 年ぶりの優勝をすることができました。実際の 大会では、大会前に予想していたような試合展 開にはなりませんでした。しかしながら、様々 な状況に対応できるようにロボットを製作し、 練習を積んできたことが優勝につながったと考 えています。また、決勝戦でとった戦略に関し て様々な意見が寄せられましたが、優勝したか らこそ得られた経験や人とのつながりがありま した。この大会を通して、2 位じゃだめなこと、 勝ちにこだわることの大切さを知ることができ ました。 ABUロボコンでは予選敗退という悔しい結果で した。製作したロボットは自分たちが目標としてい た性能を満たしており、他国が製作したロボットも 想定内の性能でした。しかし、実際の大会では自 分たちのミスにより負けてしまいました。敗因とし てはロボットの練度不足が考えられます。学生ロボ コンではできていた、様々な状況に対応するために 必要な練習やロボットの改良を行うことができませ んでした。幸運は用意された心にのみ宿るという言 葉がありますが、まさにその通り自分たちの努力が 足りなかったと痛感させられました。 今シーズン戦ったメンバーの多くは引退しますが、新しい世代の活動はもう始まっています。 これからもロボコン同好会の応援よろしくお願いいたします。

2023年 第40号 TUT 同窓会報 3 同窓会の皆様におか れましては、お元気に ご活躍のこととお慶び 申し上げます。平成22 年4月に学部・大学院 組織を再編して、5 つの系と総合教育院において教育 と研究が行われており、旧機械システム工学系(旧1 系)および旧生産システム工学系(旧 2 系)を統合し た機械工学系(1 系)として活動しております。 機械工学系の組織は、機械・システムデザインコー ス、材料・生産加工コース、システム制御・ロボット コース、環境・エネルギーコースの 4コースで構成さ れ、計18 研究室があります。教員、学生ともにコー スに所属する研究室に在籍しております。 現在、教授16名(兼務教員1名含む)、准教授12 名、助教 12 名の計 40 名の教員が所属しております。 2021年度末には、計測システム研究室の真下 智昭 准 教授が岡山大学の教授として異動されました。また、 新規採用により、2022 年 4月には、システム工学研 究室に高橋 淳二 准教授、薄膜材料研究室にKhoo Pei Loon 助教、知能材料ロボティクス研究室に比留田 稔 樹 助教が着任されました。本年4月には、マイクロ・ ナノ機械システム研究室の永井 萌土 准教授がエレク トロニクス先端融合研究所(EIIRIS)の教授(1 系兼務) として昇進され、本年10月には、材料機能制御研究 室の足立 望 助教が本系の准教授に昇進されました。 2020 年初頭以降の新型コロナウイルス感染症の影 響を受けて、機械工学課程・専攻の教育ならびに研究 活動は、大きな様変わりを見せました。教育活動にお いては従来からの対面形式からGoogle Classroomな どを用いた on-demand 形式や双方向を組み入れたハ イブリッド形式の活用が進みました。また、研究活動 ではon-line形式を活用した研究報告会などの実施、 テレワークの推進と、本学・本系も大きな変遷の中で 柔軟に対応しながら、教育研究活動の質を確保する努 力と工夫をしてきました。2022年度に入り、感染拡 大防止への配慮をしながら、徐々に対面授業へと移行 し、本年10月からは、原則、対面での授業になって おります。一方、オンラインでの活動が一般的になっ てきたことで、新たな試みとして、高専出身の本系の 学生と高専の学生さんとのオンラインでの交流会(高 専OB・OG訪問オンライン)を始めました。また、 本系の学生の活躍を中心に配信する「機械工学系公 式 Twitter」(https://twitter.com/TUT_kikai) を 開 設しました。是非、フォローをお願いします。 このように、本学・本系を取り巻く環境は目まぐる しく変化しておりますが、本系では、今まで以上に社 会に貢献できる教育・研究を行うべく一層努力する所 存でございます。同窓会の皆様には、引き続きご支援、 ご指導を賜りましたら幸いです。末尾ながら、同窓生 の皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。 学内近況報告 系長 柴田 隆行

教職員紹介(令和4年12月 現在) 【機械・システムデザインコース】 教 授 足立 忠晴、河村 庄造、柴田 隆行、永井 萌土 准 教 授 安部 洋平、竹市 嘉紀、松原 真己 助 教 岡本 俊哉、田尻 大樹 【材料・生産加工コース】 教 授 伊崎 昌伸、小林 正和、戸髙 義一、三浦 博己 准 教 授 安井 利明、横山 誠二、足立 望 助 教 山田 基宏、Khoo Pei Loon 【システム制御・ロボットコース】 教 授 内山 直樹、佐藤 海二、高木 賢太郎、髙山 弘太郎 准 教 授 佐野 滋則、高橋 淳二 助 教 秋月 拓磨、武田 洸晶、戸田 清太郎、比留田 稔樹 【環境・エネルギーコース 】 教 授 飯田 明由、中村 祐二、柳田 秀記、土井 謙太郎 准 教 授 鈴木 孝司、関下 信正、横山 博史、松岡 常吉 助 教 岸本 龍典、西川原 理仁、吉永 司、山崎 拓也 4 2023年 第40号 TUT 同窓会報

機械ダイナミクス研究室の近況報告 田尻 大樹 2023年 第40号 TUT 同窓会報 5 さて研究室の伝統は、懇親会、夏の研究室旅行、開 学記念駅伝大会(その他各種スポーツ大会)などのイ ベントに積極的に参加し、学生が主体となって場を盛 り上げることが挙げられます。恒例行事である懇親会 と研究室旅行は、新型コロナウイルス感染症の感染拡 大の影響を受けて自粛している状況です。一方で駅伝 大会は、幸いにも感染拡大が落ち着いたタイミングと 重なり、今年 ( 第 45回大会 )も参加することができま した、研究室としての駅伝大会への参加は 2008 年 ( 第 31回大会 )からです。毎年複数のチームが参加し、体 育会系クラブを含めてもまずまずの成績を収めてきて おりましたが、今年は悲願の初優勝を果たすことがで きました ( 添付写真 )。 コロナ禍が一日も早く終息することを願い、そして研 究室の恒例行事(新歓、年2回の研究報告会の打ち上げ、 進路決定、OB 会、卒研打ち上げ、新年会、追い出しなど、 いろいろな理由を付けて…)が復活し、研究室活動が 再び活発になることを願っております。研究室の様子 につきましてはホームページ (http://dynaweb.me.tut. ac.jp/) に掲載していきますので、是非ご覧下さい。末 筆ながら、卒業生・修了生の皆様のご健康、ご活躍を 祈念するとともに、今後とも機械ダイナミクス研究室 をご支援下さいますようお願い申し上げます。 卒業生・修了生の皆様方におかれましては、ますま すご健勝のことと存じます。本研究室「機械ダイナミ クス研究室」は河村庄造教授が 2004年に本学に着任 されたときに発足しました。18 年の歴史の中で研究室 体制は移り変わってきましたが、研究室の理念と伝統 は引き継がれてきております、現在の研究室のメンバー は、河村庄造教授、松原真己准教授、田尻大樹助教、 湯川治敏教授 ( 協力教員、愛知大学 )、博士後期課程 1 名 ( 社会人 )、博士前期課程 17 名、学部生 8 名です。 研究室では、「振動工学に基づいて持続可能社会の 実現に貢献する」を理念としており、振動工学を基礎 とした機械・構造物・スポーツ用具などの人工物およ び身体運動のモデル化、解析、設計に関する教育・研 究を行っております。具体的には、身の回りの人工物 の振動特性を同定する実験モード解析に関する研究、 階層構造物などを対象とした動的設計・評価・診断に 関する研究や免振・制振に関する研究、自動車用タイ ヤを対象としたモデル化・動的解析に関する研究、動 的 X 線 CTを利用した減衰材料の評価・モデル化に関 する研究、水潤滑静圧軸受の動特性解析に関する研究、 姿勢推定技術を利用した身体運動の動作解析に関する 研究、各種スポーツ競技場に設置されるサーフェスの 衝撃緩衝性の評価に関する研究などです。このように 対象物の振動や動作などの動的挙動に注目した研究に 取り組んでおります。

材料保証研究室の近況報告 小林 正和 6 2023年 第40号 TUT 同窓会報 の評価手法の開発も行っております。できるだけ、多 様な分野の研究者や技術者と新規アイディアに基づ く研究や協力的な分野横断の研究できるようにと心が け、研究室一同が行動しております。詳細につきまし ては、研究室ホームページ(http://ma.me.tut.ac.jp/) をご覧いただければ幸いです。 研究室の活動としては、教育研究ばかりではなく、 コミュニケーション等を図り、切磋琢磨や相互理解な ど人間関係も重要と思います。そのような活動につい てもご報告したいところですが、ここ2 年余り研究室 の学生の皆さんとは、歓送迎会、旅行など一緒にする 機会を作ることができないといった大変残念な状況が 続いております。掲載の 4 年生配属後の研究室集合写 真も皆マスク姿です。近頃は、活発な大学における活 動が再開できるように、新型コロナウイルス感染症の 拡大もそろそろ完全収束していただきたいと願うばか りであります。徐々にではありますが、web 活用中心 だった講義が、対面での実施になっていますし、来学 規制も概ね無くなっておりますので、卒業生・修了生 の皆様には、どうぞご機会を作っていだだき、是非、 大学および研究室にお立ち寄りただければと思いま す。そして、学生・教員との交流を深めていただけれ ば幸いです。卒業生・修了生の皆様におかれましては、 引き続き御支援・御指導・ご鞭撻を賜りますようお願 い申し上げます。末尾ながら、同窓生の皆様の益々の ご活躍をお祈り申し上げます。 本学の卒業性ならびに修了生の皆様におかれまして は、ますますご活躍のこととお慶び申し上げます。材 料・生産加工コースで主に各種材料の破壊や量子ビー ムを活用した評価技術についての研究教育を行うこと をミッションとして、本年度4月より新設研究室とし て「材料保証研究室」がスタートしました。一部の同 窓会の皆様にはこの研究室名に聞きなじみがあるかも 知れません。研究室でカバーする領域を考えたときに 適切であるように思えること、加えて、本学でご関係 のあった先生方への敬意も含めて、この研究室名とさ せていただいております。現在、本研究室は、教授小 林正和、助教Pei Loon Khoo、研究員1名、修士2年 生3名、修士1年生3名、学部4年生8名の合計17 名で研究活動を行っております。 2020 年から続くコロナウイルス感染症の影響下で、 感染症対策を行いながら、なかなか十分と言える活動 ができていない状況ではありますが、現在、自動車な どの輸送機器用のアルミニウム鋳造合金やダイカスト 合金に関わる損傷や破壊過程の研究を放射光を活用し たマイクロ・トモグラフィやナノ・トモグラフィを使っ て進めております。もちろん、疲労特性評価や衝撃破 壊などについても研究しています。ミクロ組織の損傷 や破壊を理解するため、これらのトモグラフィの三次 元画像の解析や、三次元画像を利用した有限要素シ ミュレーションなどを行っております。加えて、Khoo 先生を中心に薄膜材料開発やX線等を活用してのそ

材料保証研究室の近況報告 小林 正和 自然エネルギー変換科学研究室の近況報告 宇野 晟生 2023年 第40号 TUT 同窓会報 7 茎摩擦音や、リード式人工声帯を調べております。歯 茎摩擦音が物理的にどのように発生するのかを解明、 発音障害等の治療への応用を目指しています。リード 式人工声帯については、リードの振動と気流、音発声 の連成シミュレーションを行い、自励振動による音の 発生メカニズムを調査しています。 その他、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、 本研究室では飛沫に関する実験や解析を実施しており ます。マスクの使い方・飛沫防止効果について報告を 挙げていますので御一読いただけると幸いです。また、 普段の研究活動においては本学の感染症規制が緩和 されることで、自由な行動が可能となってきています。 しかしながら新入生歓迎会や忘年会といった行事など には未だ制約があり、すべてが思い通りにならないこ とへのもどかしさもありました。一日でも早くかつての 生活に戻ることができるよう研究に邁進するとともに、 私ども含め皆様方が健やかに日々を過ごされることを 願っております。 末筆ながら、卒業生ならびに修了生の皆様方の益々 のご活躍をお祈り申し上げます。 本学の卒業生ならびに修了生の皆様方におかれまし ては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。現 在、自然エネルギー変換科学研究室には飯田明由教授、 吉永司助教、秘書 1 名、研究員1 名、博士後期課程 2 名、 博士前期課程 12 名、学部生 8 名が在籍しております。 本研究室では流体力学を基礎とした実験や解析を通 じて、主に空力騒音、自然エネルギー関連技術、楽器・ 発音について研究を行っております。 空力騒音の分野では発生する音の予測や低減手法の 開発を行っています。対象としては自動車車内騒音、 ファン騒音、キャビティ音などです。例えば自動車車 内騒音の場合は流体・車体構造・音波の連成した問題 を扱うことで、自動車外部で発生した音波がどのよう に伝播するか明らかにすることを目的にしています。各 自動車部品から発生する音は流れと音の直接計算を用 いて、高精度な予測を目指します。 自然エネルギー関連技術では風車に関する研究をし ております。流体解析ソフトウェア FrontFlow/Blue、 スーパーコンピュータ富岳を用いて風車周りの高解 像度解析を行っており、風車翼による乱流がウインド ファームのような後流に設置された風車に与える影響 を調べています。 吹奏楽器においては、吹奏時の圧力抵抗感などの製 品性能を向上するために流れと音の直接計算を行い、 音の発生や伝播機構を明らかにすることを目的にして います。発声ではサ行 /s/ や /sh/を発声する際の歯

知能材料ロボティクス研究室の近況報告 高木 賢太郎 8 2023年 第40号 TUT 同窓会報 指の研究室でしたので、後任の私も身の引き締まる思い でおります。研究室名としてシステム制御の名前をそのま ま引き継がせていただくことも考えましたが、研究内容を 最も反映するのが適切であろうと思い、標記のような研 究室名としました。なお、研究にはシステム制御工学が 欠かせません、私が学位を取得した研究室(名大・早川 義一教授)も制御工学の研究室でした。制御対象として のセンサ・アクチュエータ材料を伝達関数や状態方程式 などの標準的な形式でモデル化し、解析やシミュレーショ ン、制御系設計を行うまでの一連の数理的技法はシステ ム制御工学の応用そのものです。ということで、当研究 室では、システム制御工学の「心」を引継ぎながら、や わらかい知能材料を用いたアクチュエータ・センサの開発、 モデル化と制御、そしてロボティクスへの応用を目指しま す。さらには、知能材料ロボティクス分野を切り拓くため に必要な数理工学的な手法を研究し、それがシステム制 御工学の学理発展の一助になればと願って研究を進めて まいります。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。 2020 年度に教授として着任をいたしました高木と申し ます。2022 年度は、比留田稔樹助教(北大・梶原研か ら2022 年に着任)、温振廷研究員(東北大・小菅・平田 研から2022 年に着任)、藤田事務補佐員、修士 2 年生 5 名、修士 1 年生 8 名、学部 4 年生 8 名が在籍しています。 研究室名の「知能材料」とは、”Smart Materials”の 和訳であり、外部刺激に応答する材料のことです。たと えば、圧電材料や電場応答性高分子材料があります。研 究室では、それらの知能材料をセンサやアクチュエータと して用いて、新たなロボティクス分野を切り拓くことを目 指しています。例えば、固体高分子燃料電池にも用いら れるイオン交換樹脂膜は、無電解めっきを施すことによっ て 3 層構造のアクチュエータとなり、数 V の電圧を加え ると水中で大きく屈曲します。また逆に、変形を加えるこ とによって数 mV の微小な電圧を生じ、センサとして使う ことも可能です。この材料を使うことで、ウェットでやわ らかい水中ロボットを作ることができます。他にも、釣糸 をねじって作られる人工筋肉や、薄いゴム膜から作られる 誘電エラストマーなどについても研究を進めています。 同窓会のみなさまにおかれましては、「え、そんな研究 室あったっけ?」と思われた方も多いのではないかと思い ます。当研究室の前身はシステム制御研究室(寺嶋一彦 教授(現学長)、三好孝典准教授(現長岡技術科学大学 教授)、田崎良佑助教(現青山学院大学准教授) であり、 卒業生のみなさまにはよくご存知の研究室であったことと 存じます。寺嶋研はロボティクスとシステム制御で国内屈

2023年 第40号 TUT 同窓会報 9 着任のごあいさつ 2022 年 4 月に機械工学系のシステム工学研究室の准教授に着任しました高橋淳二 と申します。出生から高校までを島根県出雲市で過ごし、大学から名古屋に移り、 2010年に名古屋大学にて博士(工)を取得後、筑波大学グローバルCOE研究員、 名古屋大学研究員、青山学院大学助教、鹿児島大学准教授を経て現職に就きました。 これまでに、複数ロボットの協調制御、生体電位信号を用いた代替インターフェー スシステム、産業用マニピュレータによる超精密組み立て、自転車とスマートフォ ンで路面調査をする参加型センシング、移動体の位置を低コストで実現するサーバ・ クライアント型の位置推定システム、などとロボティクスとシステムインテグレーションを中心に様々な研究課題 に取り組み解決してきました。 本学では、システム工学の観点から移動体位置推定の研究を捉えなおし、より広く実世界モデリングの研究とし て Cyber Physical System の社会実装を目指します。特に、運用コストを低く抑えられるというサーバ・クライア ント型位置推定システムの利点を生かし、中小規模の工場や倉庫の自動化に向けた研究に取り組み、また、定位サー ビスのサブスクリプション提供による人物流分析、移動体のトラッキング、ライフログ、行動変容、EBPM、行動 的生体認証による新しいセキュリティサービス、など生活圏での活用も視野に入れ、ロボット技術や IoT 技術を広 く深く社会に浸透させてゆくことを目指しています。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 機械工学系 准教授 高橋 淳二 2022 年 4 月に機械工学系知能材料ロボティクス研究室に助教として着任しました比留 田稔樹です。所属研究室の高木賢太郎教授と共にソフトアクチュエータや制御などに関 する研究をさせていただいています。 出身は埼玉県で、学部 4 年次までは信州大学工学部、修士課程では北海道大学工学 院に所属しておりました。大学は異なりますが、それぞれ研究室配属時の研究テーマは 柔軟構造物の振動制御に関するものでした。修士課程修了後は一度就職し、鉄道会社に て車両修繕管理業務や車両設計業務を担当しており、工業を様々な視点から見つめる機 会となりました。業務を遂行していく中で振動に関する問題にも多く触れることがあり、その分野に関わる専門性をさらに 深め、広く社会に貢献できる形にしたいと考え、退職して北海道大学工学院博士後期課程へ入学しました。博士後期課 程ではソフトアクチュエータを適用した振動制御手法を提案し、柔軟構造物や曲面形状を有する構造物に生じる振動を抑 制することに成功しています。また、対象の振動を励起させてその特性を解析する研究も行っており、ソフトアクチュエー タを応用することで青果物の振動特性を解析し、その硬さを評価できることを実証しました。 ソフトアクチュエータを振動に適用した研究はまだ基礎的な段階であり、ロボティクスとの融合や人間に近いところで有 効に利用できるものが求められています。豊橋技術科学大学ではこの分野をさらに発展させ、人々に役立てるような成果 を生み出したいと考えております。 機械工学系 助教 比留田 稔樹

10 2023年 第40号 TUT 同窓会報 学内近況報告 准教授 河村 剛 れぞれ材料エレクトロニクス分野と情報通信システム 分野の助教を退職されました。一方で、2021 年 4 月 1 日付けで勝見亮太先生と坂東隆宏先生、Jose Alberto Piedra Lorenzana先生が材料エレクトロニクス分野 および機能電気システム分野、集積電子システム分野 の助教として、2022年9月1日付けでXun Shao先生 が情報通信システム分野の准教授として、それぞれ着 任されました。また、河野剛士先生と高橋一浩先生が、 それぞれ 2022 年 1 月 1 日付けおよび 2022 年 4 月 1 日 付けで集積電子システムコースの准教授からエレクト ロニクス先端融合研究所の教授(集積電子システム コースの教授も兼務)に昇進されました。2022年度 4 月1日付けで稲田亮史先生と田村昌也先生が、それ ぞれ機能電気システム分野および情報通信システム分 野の准教授から同分野の教授に昇進されました。2022 年 9 月1日付けで山根啓輔先生が集積電子システム分 野の助教から准教授に昇進されました。さらに、高専・ 両技科大間教員交流制度により、沖縄工業高等専門学 校から藤井知教授が赴任されています。 以上が、電気・電子情報工学系の2021年度の近況 報告です。さて、2022 年度においては“with コロナ 時代”に向けて、本系でも新たな人材育成、教育研究 の取り組みが必要になります。今後とも、本系教職員 一同今まで以上に精進し、社会に貢献できる人材育成、 教育研究活動を行っていきますので、同窓生の皆様に は引き続きのご支援とご指導を賜れば幸いです。 卒業生・修了生の皆様におかれましてはいかがお過 ごしでしょうか。2019 年末から続く新型コロナウイ ルス感染症に関しては、本学も多くの影響を受けてお りますが、徐々に対面でのイベントなども増えてきて おります。講義や実験だけでなく、大学紹介やオープ ンキャンパスなどについても、完全オンラインで実施 する経験を得たことで、オンラインの良い面を残しつ つ、必要な部分は対面に戻すといった“with コロナ” を意識した活動にシフトしてきております。私自身も、 出張時や講義欠席者への補講をオンラインやオンデマ ンド資料で行うなど、効率的な活動が実践できつつあ ります。災い転じて福となすを実践できるよう、引き 続き教職員一同努力を続けていきます。 2021 年度も電気・電子情報工学系に 80 名を超える 新しい学生達が入学、編入してきました。また、教員 に関するご報告の一つとして、八井崇教授が情報通信 に係わる優れた業績を挙げたとして、第 20 回ドコモ・ モバイル・サイエンス賞の基礎科学部門優秀賞を受賞 しました。この他にも、多数の教員・学生が研究に係 わる賞を受賞しております。本系研究者・学生の活躍 を謹んでご報告させて頂きます。 次に、2021年度の先生方の異動についてご報告さ せて頂きます。まず、2022年4月1日付けで、若原 昭浩先生が2系を離れ、本学の理事・副学長になら れました。また、後藤太一先生と宮路祐一先生が、そ

教職員紹介(令和4年12月 現在) 【材料エレクトロニクス分野】 教 授 松田 厚範、内田 裕久、八井 崇、武藤 浩行*1 Lim Pang Boey*2 准 教 授 服部 敏明、中村 雄一、河村 剛、加藤 亮*3 助 教 引間 和浩、勝見 亮太 【機能電気システム分野】 教 授 伊穂積 直裕、滝川 浩史、稲田 亮史 准教授 村上義信 講 師 針谷 達 助 教 川島 朋裕、坂東 隆宏 【集積電子システム分野】 教 授 澤田 和明、石川 靖彦、岡田 浩*1、河野 剛士*4 高橋 一浩*4 准 教 授 関口 寛人、山根 啓輔、野田 俊彦*4 助 教 崔 容俊、Piedra Lorenzana José Alberto 【情報通信システム分野 】 教 授 市川 周一、上原 秀幸、田村 昌也 准 教 授 竹内 啓悟、Xun Shao 技術専門職員 日比 美彦、飛沢 健、赤井 大輔 *1総合教育員、*2グローバル工学教育推進機構、*3教育研究基盤センター、 *4エレクトロニクス先端融合研究所 2023年 第40号 TUT 同窓会報 11

専用計算システム研究室(市川研究室) 小倉 幹也 12 2023年 第40号 TUT 同窓会報 について研究を進めてきました。特に近年では、応用先 としてセキュリティ分野を重視しており、論理回路の知 的財産権保護や、セキュリティ技術の基礎となる乱数生 成技術などを研究しています。2010 年以前に(旧・知識 情報工学系で)研究していた並列処理・高性能計算技 術についても、細々とではありますが研究を継続してい ます。 本研究室のメンバーおよび卒論・修論のテーマは、研 究室のWWWページにてご覧いただけます。URLは http://www.ccs.ee.tut.ac.jp/ich/ です。また最新の研 究室紹介や発表論文は、市川先生のWWWページにて 公開されております。そちらも併せてご覧いただけます と幸いです。 本研究室では、昨今のコロナ禍の状況を鑑み、例年開 催していました歓迎会、歓送会は自粛しております。来 年度こそはコロナ禍が収束し、是非とも開催したいもの です。研究活動については、実験を主軸としていないこ ともあり、影響は軽微です。 市川教授は5 年後に定年を迎える予定ですので、研 究室も2027 年度をもって営業終了(?)となります。残 る5 年間、有終の美を飾れるよう、研究室一同励んでい きたいと思います。 最後になりましたが、諸先輩方の今後の更なるご活躍 とご健康を研究室一同、心よりお祈り申し上げます。 卒業生・修了生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 皆様におかれましては、ますますご健勝にてご活躍のこ とと存じます。 専用計算システム研究室は、2010 年度の学内再編に 伴い市川周一先生(当時は准教授)が旧・知識情報工 学系から電気・電子情報工学系に異動になって創設され ました。以来、情報通信システム分野の教育・研究の一 翼を担い、今日に至ります。 2013 年 4 月には藤枝直輝先生を助教として迎え、専 用計算回路やFPGA 応用を中心とした研究を進めてま いりました。藤枝先生は2017 年 4月に愛知工業大学工 学部電気学科・准教授として御栄転されましたが、その 後も2022 年に至るまで当研究室と共同研究を続けてお られます。 また、当研究室は高専との共同研究も続けてきました。 2014 年度には旭川高専の松岡俊佑先生(当時は助教) が人事交流制度を利用して滞在され、超音波測位の研 究を中心に活動されました。2015 年度に旭川高専に帰任 されてからも、真性乱数生成回路などの共同研究を進め ておられます。 沖縄高専との共同研究も長く続いており、山田親稔先 生や宮城桂先生の研究室と交流が続いています。共同研 究内容は幅広く様々ですが、沖縄で開催される次世代産 業システム研究会に参加することが恒例化しています。 本研究室では、特定応用を高速化する専用計算シス テムや、応用に特化した計算システム・組込みシステム ある日のゼミ

先生方の熱心なご指導のもと、各グループの学生が 注力して研究に取り組みながら不断に成果を上げてお り、国内外から高い評価を頂いております。学会活動 はコロナ渦でオンラインでの開催が続いておりました が、本年度からようやく対面での開催も再開され始め 現地開催の意義を改めて実感しております。こうして 研究成果を世の中に情報発信できるのも、これまで卒 業生・修了生の皆様が発展させてきた研究内容が基盤 となっていると考えています。心から感謝し、日々精 進して参ります。 研究室の行事としましては、毎年恒例のスキー旅行 や新歓、追いコン、BBQなどのイベントをしていま す。多くの学生が所属しており、研究グループの垣根 を越えて大いに盛り上がっています。一昨年から続く コロナ渦での影響で、多くの行事の開催が困難でした。 コロナの終息と今後はこのような行事が増えることを 願っています。 豊橋にお近づきの際には、お気軽に研究室へとお立 ち寄りください。研究室一同心よりお待ちしておりま す。最後になりましたが、諸先輩方のさらなるご活躍 とご健康を研究室一同心よりお祈りしております。 卒業生・修了生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 皆様におかれましては、それぞれの職場で大いにご活 躍されていることと存じます。現在、本研究室は澤田 和明教授、高橋一浩教授、野田俊彦准教授、崔容俊助 教のもと、博士学生 3 人、修士学生 21 名、学部生 12 名、 研究員 6 人の計 46 名で日々研究に励んでおります。 近年注目されている IoT などのイノベーションの影 響により、世界の半導体業界は拡大を続けています。 これらは多数のセンサが必要となるため、半導体の需 要が増え、非常に注目されています。本研究室では、 半導体微細加工技術で病気の診断や脳科学・生命科 学に貢献できる研究を行っており、主に以下の 8 つの テーマを中心とした研究に取り組んでいます。 ① 高精細イオンイメージセンサ ② 神経伝達物質イメージセンサ ③ フィルタフリー蛍光センサ ④ 細菌検出センサ ⑤ 光干渉MEMSバイオセンサ ⑥ MEMS可変カラーフィルタ ⑦ 超高感度MEMS共振型センサ ⑧ マルチモーダルセンサ 集積化バイオセンサ(澤田研究室) 間所 麻衣 2023年 第40号 TUT 同窓会報 13

14 2023年 第40号 TUT 同窓会報 学内近況報告 系長 北岡 教英 されます。青野先生には今後は特任教授として、医療 画像処理の研究に従事していただくことになりました。 2020 年に開始された、東フィンランド大学、フラン スのジャン・モネ大学、ベルギーの KU ルーヴェン大学 と本学による「近未来クロスリアリティ技術をけん引す る光イメージング情報学国際収支プログラム(IMLEX)」 では、一期生が修了しました。新型コロナウィルスの影 響で渡航することはできずオンラインでの留学となりま したが、本学参加者7名、海外の参加者8名が無事、 修了しました。二期生たちはいよいよ渡航が叶うことと なりました。また、本系では毎年、ICAICTAという国 際会議を、インドネシアのバンドン工科大学らと共同で 開催してきましたが、ここ 2 年は新型コロナウィルスの 影響でオンライン開催にせざるを得ない状態でした。し かし今年度は、少人数ながらインドネシアからの出席者 を迎え、豊橋を拠点にハイブリッド開催することができ ました。新型コロナウィルスは本系の国際活動にも影を 落としていましたが、本格的に活動が再開できる見通し も立ってきたように思います。 こうしてみると、このパンデミックを通して世界の見 え方が一変したかのように思います。ある意味で、完全 に元には戻らないのかもしれません。しかしこうした生 活様式が変容するべき時代にも適応できたのは、情報 技術があったからこそだと思います。時代に合った、時 代の先を行く人材育成・教育研究を行っていく所存で す。同窓生のみなさまには引き続きご支援・ご指導を賜 りますよう切にお願い申し上げます。 同窓生のみなさまには、ますますご健勝のこととお喜 び申し上げます。 近年、高等専門学校生からの編入学者や1年次入学 者の進学希望先として、情報・知能工学課程を希望し てくれる方がとても多くなっており、学部生の定員を上 回る人たちが入ってくれています。人工知能・データサ イエンスをはじめとする情報技術が多くの分野で必要と される今日において、とても喜ばしいことと思います。 情報・知能工学系の各研究室や講義などの活動は、 これまで新型コロナウィルスの影響を大きく受けて、オ ンラインでの実施が大半を占めてきました。まだ本当の 終息は見えてきてはいない今日ですが、国内での様々な 行動制限が撤廃されてきた流れを受けて、こうした活動 も対面で実施されるようになってきており、マスクを着 用していることを除けばだいぶ以前の様子を取り戻しつ つあると言えます。キャンパスや、本系が入るC 棟や F 棟にも賑わいが戻ってきているように感じます。教員 も国内外への出張が戻りつつあり、一方でオンラインが 定着してきたところもあり、会議はオンラインが一般的 になり、これらが相まって忙しい日々を送っています。 本年度も教員の異動がありました。2022 年 4 月には、 川端明生教授が着任されました。NTTネットワークサー ビスシステム研究所の所長を務められた方で、企業で の研究・研究マネージメントという貴重な体験を本学で の教育に活かしていただけるものと期待されます。また、 EIIRISに着任された垣内洋平教授が本系の兼任教員に なられました。知能ロボティクスの研究をけん引してい ただけるものと期待します。また、若林佑幸助教が北岡 の研究室に、中井雄士助教が鈴木幸太郎教授の研究室 に着任されました。若い研究力が加わり、心強く思いま す。また学生たちに近い存在として、教育にも力を発揮 していただきたいと思います。さらに、高専交流人事と して、北九州高専から豊永憲治准教授が 2年間着任さ れています。2023 年 3 月末に青野雅樹教授が定年退職

2023年 第40号 TUT 同窓会報 15 教職員一覧及び学生現員(2022年11月現在) 【計算機数理科学分野(Computer & Mathematical Sciences)】 氏 名 職 名 専門分野 鈴木 幸太郎 教 授 情報セキュリティ 藤戸 敏弘 教 授 計算機科学 川端 明生 教 授 情報ネットワーク 河合 和久 准 教 授 コンピュータサイエンス 栗田 典之 准 教 授 量子生物学、計算科学、ドラッグデザイン 佐藤 幸紀 准 教 授 計算機アーキテクチャ、計算機システム、ソフトウェア性能工学 豊永 憲治 准 教 授 グラフスペクトル理論 相田 慎 助 教 計算量理論 中井 雄士 助 教 情報セキュリティ、暗号理論 後藤 仁志 教 授(情メ) 計算化学、ハイパフォーマンスコンピューティング 五十幡 康弘 准教授(情メ) 計算化学、量子化学、理論化学 中村 純哉 准教授(情メ) 分散アルゴリズム、分散システム、耐故障 原田 耕治 准教授(IT) 数理生物学、ウイルス学、複雑系科学 【データ情報学分野(Data Informatics)】 氏 名 職 名 専門分野 青野 雅樹 教 授 情報検索、データマイニング 梅村 恭司 教 授 情報工学 北岡 教英 教 授 音声情報処理 秋葉 友良 准 教 授 知能情報学 渡辺 一帆 准 教 授 統計的学習理論、機械学習 浅川 徹也 助 教 深層学習、情報検索、異常検知 廣中 詩織 助 教 ソーシャルネットワーク分析、計算社会科学 若林 佑幸 助 教 音響信号処理 土屋 雅稔 准教授(情メ) 自然言語処理、応用情報システム(情報メディア基盤センター 兼任) 【ヒューマン・ブレイン情報学分野(Human & Brain Informatics)】 氏 名 職 名 専門分野 中内 茂樹 教 授 知覚認知情報学 北崎 充晃 教 授 心理物理学、認知神経学 南 哲人 教 授 認知神経科学 福村 直博 准 教 授 計算論的神経科学 村越 一支 准 教 授 計算知能 杉本 俊二 助 教 神経科学 上田 祥代 助 教 知覚心理学、認知科学 日根 恭子 助 教 認知科学、視覚科学 田村 秀希 助 教 視覚科学、感性情報学 松井 淑恵 教 授(EIIRIS) 聴覚心理学、音楽心理学、演奏科学 鯉田 孝和 准教授(EIIRIS) 視覚神経科学 【メディア・ロボット情報学分野(Media Informatics & Robotics)】 氏 名 職 名 専門分野 岡田 美智男 教 授 認知科学・社会的ロボティクス 栗山 繁 教 授 画像/映像/CG関連メディア、イメージセンサ通信、知的照明 三浦 純 教 授 知能ロボティクス 金澤 靖 准教授 コンピュータビジョン、画像処理 菅谷 保之 准 教 授 コンピュータビジョン 大村 廉 准教授 ユビキタス・コンピューティング、システムソフトウェア 長谷川 孔明 助 教 ヒューマンエージェントインタラクション 林 宏太郎 助 教 ヒューマンロボットインタラクション、認知科学、社会学 垣内 洋平 教 授(EIIRIS) ロボットシステム、ヒューマノイドロボット 大島 直樹 講 師(EIIRIS) ヒューマンロボットインタラクション、ヒューマンエージェントインタラクション 【事務関係】 事務職員: 原 紘子(C棟事務室) 佐藤 静香、山本 沙愛、滝川 陽子(F棟事務室) 技術職員:小西 和孝 【学生現員】 学 部:1年次 25名、2年次 36名、3年次 99名、4年次 115名 博士前期:1年次 81名、2年次 105名 博士後期:21名

2022 年 4 月にエレクトロニクス先端融合研究所およびに情報・知能工学系に着任 いたしました垣内洋平と申します。社会人を経験してから2012 年に学位を取得し、 東京大学にて特任教員をしておりました。 私の専門はロボットシステムになります。ロボットはハードウェア、制御、認識・ 知能等の多岐にわたる要素を高度に統合することで動作・作業を実現することがで きます。実現した機能が社会で使われるようになるために、ソフトウェア的な基盤 と接続できるようにすることで、アプリケーションとしてシステム化する手法の研究 が必要になります。具体的には、2 足歩行ロボットの環境に応じた歩行方法や家事支援ロボット等の認識と運動を システムとして統合して、実機のロボット用いて評価を行う研究を続けてきました。 本学に着任してから、ロボットのような情報システム機器を用いた自動化省力化技術について、情報リテラシー の次に必要となる研究者素養として、学生や社会人への教育を行うための教材開発と講義の設計を行っております。 この教育を通じて、社会に役立つロボットの構成方法についての再確認を行い、問題を解決するロボットシステム を作り出すシステム構築という新たな方法論についても研究を進めていこうと考えております。 このように、教育と研究を通じて、情報学・システム学の知見を使い、ロボットを用いることでより暮らしやす い社会の実現へ貢献してゆきたいと考えております。 2022 年4月に情報・知能工学系の教授に着任しました川端明生です。前職は、N TT研究所でネットワーク装置の開発をしておりました。開発一筋で、NTT西日 本やNTTドコモなどのサービス提供会社の方々や、装置を開発してくれるNEC、 富士通、シスコシステムズなどのメーカの方々と方式検討や装置の検証を行ってお りました。大学では、情報・知能工学系に「情報ネットワーク研究室」を新設させ ていただき、情報処理システムとネットワークを融合した研究課題に取り組みます。 携帯電話サービス、Web 会議、ネットワークゲーム、農業、交通など様々なIoT (Internet of Things)アプリケーション等のネットワークサービスは、ネットワークを介して提供され、ネットワー クを介して情報処理されます。コンピュータ間を接続するネットワーク、ユーザとコンピュータをつなぐネットワー クは、広い意味で情報処理システムの一部と言えます。また、ネットワークサービスでは、大容量で低遅延な操作 を実現する快適性、場所を選ばず利用できる利便性、セキュリティリスクを気にせず利用できる安全性は、様々な サービスに共通に求められる要件です。コンピュータは高性能化し、ネットワークも高速化する時代に、「情報ネッ トワーク研究室」では、ネットワークを情報処理システムの一部と捉えて、これらの快適性、利便性、安全性を実 現するための情報処理システムの研究課題に取り組みます。 情報・知能工学系 教授 川端 明生 情報・知能工学系 教授 垣内 洋平 着任のごあいさつ 16 2023年 第40号 TUT 同窓会報

2022 年 4 月に、情報・知能工学系情報セキュリティ研究室に助教として着任いた しました中井雄士(なかいたけし)と申します。出身は東京都東村山市です。電気 通信大学大学院博士前期課程を修了後、SCSK株式会社での三年間の就業を経て、 2021年3月に電気通信大学大学院博士後期課程で博士(工学)の学位を取得しました。 その後、同大学でポスドク研究員として 1 年間勤務した後、本学に着任いたしました。 専門分野は情報セキュリティを理論の面から支える暗号理論です。特にデータを 暗号化したまま計算処理することを目的とした秘密計算技術に注力して研究してお ります。通常の暗号化方式では暗号化されたデータに関する情報を一切得られず計算処理できないことから、計算 をする過程でそのデータを一度復号して平文の状態に戻す必要があります。しかし、この方法にはデータの漏洩リ スクが生じます。秘密計算はこの問題を解決し、データのプライバシー保護と有効活用を両立する技術として近年 注目されています。また、最近ではビットコインやイーサリアムに代表される暗号通貨にも興味を持ち研究に取り 組んでおります。 今後は自身がこれまでに学んできた知見を活かし、研究はもちろんのこと学生の教育にも邁進していく所存です。 教育においては学問を学ぶことの楽しさを伝えることを重要視し、学生が主体性をもって考え意見を発言しやすい 環境を構築することを心掛けます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 2022 年 2 月に助教として着任した廣中です。その前からも特任として在籍してい ました。2021 年 3 月に本学で博士の学位を取得しました。豊橋へ来たのは学部 3 年 に高専から編入してきたときなので、豊橋の生活はもう9 年になります。そのため、 豊橋へ来た当初のフレッシュな気持ちはもう忘れてしまっているかもしれません。 教員として学生指導などに関わるようになってからは新鮮なことが多く、また新た な経験を積ませてもらっています。 わたしはソーシャルメディアデータを使って、ユーザ行動やソーシャルグラフに ついて研究しています。オンラインデータを人間の行動や社会の分析に役立てたり、国や文化によるユーザ行動の 違いを調べたりなど、目に見えないものをデータでとらえ、明らかにすることに興味があります。これからもおも しろい研究をやっていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。 情報・知能工学系 助教 廣中 詩織 情報・知能工学系 助教 中井 雄士 2023年 第40号 TUT 同窓会報 17

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